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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第18章 帰国と未来



「あまりにも気楽に抜けられるのは少々‥」


「若い頃のようにはいかないね」


葉山と遠藤の言い分も分かるので、そこまでは抜け出していないつもりなのだが‥
まあ‥美紀が絡むと、何時もの私より抜け出しているのは確か。


立場上軽々しくと、言いたいのも分かってはいる‥
一番は、かなり強引に渡米した事、これで葉山の監視の目まで厳しくなった。


身内同士という事と、私と美紀の事情を知っている遠藤は、ギリギリのところで甘くなる‥
そんな時、こうして葉山が現れ釘を刺す‥といったところ。


葉山なりの心配と気遣いと、大人しく聞いてはいるが、全てに於いて葉山の言い分を聞く気にもなれない‥私も困ったものだ・・



「・・・
エントランスが騒がしいようで‥」


「帰って来たみたいだね」


「そのようで‥
私の方は、これで失礼します」


「ああ・・」


相変わらず葉山は、私や美紀のプライベートには極力立ち入らない‥
このスタンスも変わらず、これはもう葉山の性格と諦めてはいる。



(・・本当に騒がしい‥
久しぶりか‥美紀が屋敷に居ると、皆明るくなるね)


初めこそ美紀の方が気を使っていたようだが、生来明るい性格‥
従業員や秘書達をも巻き込み、下では楽しそうにやっている、これも美紀の特徴。


留学で静かだった屋敷内も、また留学前のような華やかさを取り戻すだろう‥
私としても静かよりは、少々騒がしい方が良い。


殆ど美紀の為の会長職、そしてこの早乙女邸‥
美紀の自由にすれば良い、それは私も望んだ事であり、今が一番良いと思う。



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