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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第6章 紀永と季永
今はこれで良いかも知れない…
だが、私の目的の為には、まだまだ努力は必要。
「おや?
今日は何時ものとは違うね??」
「分かりました?
今日のは、昼休みついでに隣街のケーキ屋で買ったやつです」
ミニ休憩は自由と言ってあるので、社員達が自主的に金を出し合い、こうして3時休憩をする時も…
1日中端末を見っ放し、流石に疲労の蓄積度が高いので、適度な休憩は必要不可欠。
「美味しかったよ」
シュークリームとコーヒーを消化して、私は立ち上がる‥何時までも休憩している訳にもいかない。
「社長って、まだ21才だよね?
その割に女性関係の噂は聞かないよね??」
「なんだ?
社長に気があるのか??」
「まさか…
例えあったとしても、私なんかじゃ相手にされないよ‥ずっとあの調子だもの」
「男女問わず、誰に対しても当たり良くだもんなー」
まあ‥敢えてそうしているのだが・・・
「少々悪いとは思うが…」
私専用の個室の中で、聞いているのは社員達の会話。
必要最低限だが、監視カメラを付けさせて貰った…
勿論社員達には話してはいない。
目的は行動サンプルの為、私自身社員として働いたが、早乙女の名に邪魔される事もしばしば。
だから、この会社で一般の社員状況を把握したい、今後の為にも…
「クラスター本社の下請けに、個人で取って来た受注が10件程…
社員数と受注数が合わない‥‥か‥」
もう少し受注数を増やす事は出来ないか?
現状赤字経営にはならないが、大幅黒字になる程の受注数は無い…
安定という言葉で、妥協する気は無い。
「・・となると効果的な売り込み…
さあ‥どの方法を取るべきだろう」
こういう業界だ、1件1件地道にというのは、あり得ない…
産業フェアーに参加するか、個人的伝手を使うか??
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