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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第7章 本社と系列



(・・・
そういえば、あのダーツバーはまだあるのだろうか?)


此処は、大学時代に遊びに出ていたショッピングモール内、卒業前に来てからは、一度として来る事は無かった。


理由的には暇が無いだが、それなりに女性を引っ掛けていた為、二度会うのを避けたというのも…



(・・あれから数年経っているんだ…)


あの場所は‥‥‥まだあった…
私が出入りしていた頃そのままに……


懐かしさに、久しぶりにダーツバーの中へ…
大学時代の頃のように、コーラ1本を手に持ち、1ゲームやってみようと、ダーツコーナーに入った。



(流石に来ている客は変わったか…)


見知っている顔は居ない、ほんの数年前の話なのに、店はそのままでも中身が変わってしまったようだ。



"ドスッ‥ドスッ‥ドスッ‥"



「・・・ふぅ‥」


たまにゲームしていた頃に比べれば、狙いが甘くなってしまった‥‥それだけ私の方が離れていたという事。


もう学生でも本社勤務でも無い…
歳は、あの頃偽っていた年齢になったが、背負うものが変わってしまった‥‥後悔はしていないが……


1ゲームだけで、コーラを持ちカウンターに寄り掛かる…
あの頃に戻りたい訳でも無いし、今に不満がある訳でも無い‥‥だと言うのに心境は複雑・・



(・・何なのだろうか?)


それなりに順調だと言うのに‥どうしてこう複雑なのだろう?



(・・・
それなり‥だからか??)


今のままでは、のし上がるなど、まだまだ先の話…
子会社を手に入れてから1年以上、私はまだ何もやっていない。



(久しぶりに此処に来たから、根本的な事を思い出したようだね)


のし上がる…
それが私の目的、近頃会社運営に忙しく、根本的な事を忘れがちになっていたようだ。


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