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第7章 本社と系列

「・・・
いい加減、あの小さな会社だけでは物足りなくなった‥‥と言うところですかね？」


「また子会社を？」


「まさか…
買収なら私がやった方が早い、拡大路線というのなら、とことん拡大してみようかと……」


そう‥収益増大を図ったのは、他企業買収が目的…
拡大路線と言う名目で、私の自由になる会社を次々増やせば良い。



「確かに拡大派だが、ＩＴ産業は残り少ないぞ？」


「系列はＩＴ産業だけとは限らない、他の業種も系列に入っている筈‥違いますか専務？」


「本気かよ・・・」


「勿論、本気でなければ、私はこんな事は言わない」


経営という点で見れば、ＩＴ産業も他業種もそこまで変わりがある訳じゃ無い。


基盤はそのままに、私の都合が良いように社内改革をしていけば良い…
その為に、あの子会社のリサーチを１年続けた。


様々な人間模様は、十分私の参考に…
今はもう監視カメラは外してある、見たかった欲しかった事は全て見てしまったが為、もう必要ない。



「相変わらず簡単に言う…
お前の自信は何処から来るんだ？
それでなくても、本社まで巻き込んだ大量受注を成功させたくせに…」


「・・人間観察‥‥
面白いと思うが、直進型の叔父には無理ですね」


「悪かったな直進型で…
買収は簡単に許可されるだろうよ、だが何処に拠点を置くんだ？
本社に‥という気は無いんだろお前」


「その時は、ビルの１つでも建てれば良い事…
今の私は、その程度の事なら簡単に出来る」


個人資産と会社収益…
買収やビルなど簡単にどうにか出来る程度、資本はしっかりと持っている、敢えて大っぴらにしない、これも経営戦略。



「・・・
紀永‥随分変わったな…
もしかしたら、会長に一番似たのはお前なのかも知れない」


「・・どちらでも…」


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