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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第10章 拡大と安定



「それは、狐と狸の化かし合いと言いたいのかな?」


「はい‥幸いにも田野倉常務は、社長と深く面識が無く、社長の性格も知らない」


「それで?」


「そうですね…
化かすのであれば、高圧的な態度で、相手を押さえ付けてしまえば良いかと思います」


「高圧的ね‥
この見た目の私がかい?」


いい加減27にもなって気付いたが、若いというか‥子供の頃から周りより大人びた容姿だったが、逆に年を取ると容姿が変わらないと言う事に気が付いた。


つまり、私の見た目は20代前半の頃から変わらず…
年相応というより、年より若く見られがち。



「見た目‥変えて見ますか社長?
髪を上げるとか、ブランドスーツ姿とか・・・」


「・・面倒だ‥‥」


一応体裁は保つ程度の格好はしているが、服装に頓着が無いのは相変わらず。



「そろそろ上の人種の身嗜みでも宜しいかと‥
田野倉常務に取って社長は、早乙女直系であり、時期会長候補の最有力の1人ですので…」


「会長候補…
上が沢山居るよ……」


父洸紀を筆頭に、朔夜叔父に皇副社長‥全て時期会長候補。



「ですが、その中で一番力を持っているのは誰ですか?
本社社長は、体調的理由から候補からは外れていますし、皇副社長は態度をはっきりとさせていない、残るは専務ですが‥会長になる気がありますか??」


「まあ‥父は分かるが、朔夜叔父ね‥
権力嫌いで暴れた過去があるから、読めるものでは無いのは確かだよ‥‥
更に言えば、皇副社長とは、10年以上話をしていない、此処も少々確執がある」


「お身内はバラバラですか…
ですから、田野倉常務が動き出した訳ですね」


「纏まりが無いのだけは認めるがね、朔夜叔父は私と争う事はしない‥それだけは言えるかな?」


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