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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第10章 拡大と安定



「何故です?
専務は会長の次男であり、今のところ最有力と目されています、それなのに‥」


「・・・
はぁーっ‥
いい加減、葉山にも話さんといかないかね」


「??」


「朔夜叔父は‥専務は私を会長にさせたい、私の目的を知っているからね‥
それに本社で、皇副社長を抑えているのも専務、私では皇副社長は抑えられない‥‥恨まれているせいで‥‥」


「恨む??」


そろそろ思い出したくない程に年月が経った‥
私も‥皇副社長も‥‥



「過去の遺恨‥
私は元々、皇副社長の娘と婚約をしていて、一度の過ちで子供が出来てしまった」


「・・・・・」


「当時の私は16才、とてもじゃ無いが結婚とかで誤魔化せる年でも無く、会長が私が結婚出来る年になるまで、皇副社長の娘と産まれて来る赤子を本宅で隠し、18才になってから世間に公表する‥‥‥予定だった」


「予定だった??」


「ああ・・・
皇副社長の娘は事故で死んだ、私が綺麗な風景がと言ったら、妊娠中にも関わらず自分が行くと‥
そして‥峠でハンドル操作を誤り崖から転落‥‥風景云々の話をしていた時、皇副社長は側に居たんだ、たまたま本宅に顔を出していた」


「・・・
だから、お嬢さんが亡くなったのは社長のせいだと‥‥」


「それもあるが・・・」


デスクの一番奥から、前に葉山に頼んだ、興信所からの調査報告の封書を取り出す‥


見たのは、あれ一度きり‥後はずっとデスクの奥深くで眠らせていた。


見るのは‥‥辛過ぎる‥その理由で・・・



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