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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第10章 拡大と安定



「・・・
事故後、レスキュー隊が駆け付け病院に搬送、その時‥生存という点では絶望的だったが、まだ息はあった‥
そして医者の判断は、奇跡的に胎内で無事な赤子を助ける事、赤子を取り出して数分もしないで亡くなったそうだ‥命を託すように‥‥」


苦い思い出・・


今も引きずっていないと言えば、嘘にはなるだろう‥私の過去の最大の過ちなのだから。



「ですが、社長にお子様は‥‥」


「・・・
会長がもみ消した‥
早乙女に置く事も、皇に置く事も許さず、子供‥娘は第3者の手に渡したんだよ」


興信所からの封書の中から、写真だけを取り出す。



「前に葉山に頼んだ物だ‥
‥‥後ろ姿で写っているのが、私が渡した娘‥
倉原とは昔繋がりがあってね、一番信用出来た倉原に娘を託した‥‥
18年‥18年で誰にも文句を言わせないで、娘を迎え入れる環境を作ると約束して・・・」


「それを専務は‥‥」


「勿論知っている、そして本社内の事を私にリークしているのは専務なのだよ、表だって私の見方とはいかないからね‥
だから身内はバラバラ、私も祖父‥あんな決定をした会長を恨んでいるし、早乙女と言っても良い事など何も無い」


葉山の方は複雑そうに写真を見詰めて、なにも話さない。



「驚いたかい私の過去は?
この事は、本当に一握りしか知らない話‥他言は無用」


「驚きましたが‥
良いんですか、こんな近くにお嬢さんがいらっしゃるのに‥‥」


「・・・
それが約束であり、会長の首を縦に振らせない限り、娘の認知は有り得ない‥
だからこそ、私は私の我を通す為に、此処までやって来た‥‥
会長が言ったのだよ‥のし上がって我を通せ"‥と‥‥」


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