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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第10章 拡大と安定



車の方は久しぶりに乗りたくなった、ラ・フェラーリを選択‥
F1仕様とまではいかないが、同じ工程で製造された限定モデル。


かなり目立つのが問題だが、たまにはこういうのも良いだろう‥
ラ・フェラーリに乗って、葉山が待つ事務所へと移動する。



(流石にこの時間は人が居ない)


事務所も基本的には残業は無い、ただ葉山を待たせているので、2階部分の照明は付いているが。



「・・・待たせた」


「・・・・・」


葉山は、私の姿を見て驚きで無言状態‥
そこまで違うか??



「どうした葉山‥
取って食おうという訳では無いのだ、せめて感想くらいは欲しいがね」


「・・・
驚きです、普段の若さは何処に行きましたか?」


「それは少し失礼だろう、どんな姿でも私に変わりあるまい?」


「話し方まで変えられたとは‥私の方が差し出がましい事を言ってしまいました」


「いや・・・
本音は‥この私が大嫌いなのだが‥
見た目も口調も似ているだろう‥‥‥会長に‥」


「・・・!!」


仕事上、この姿この口調でも構わないのだが、先ほども考えてた通り、お手本がお手本だけに、やりたくないが本音。


会長と同じ冷たい部分の私、それが嫌う一番の理由。



「始めにこれをやって思い知ったのだよ、何処までも冷酷になれる私自身が居る事に‥
それからは極力避けて来た‥だが、のし上がる為に必要なら、幾らでもこの私をやろう‥‥違うかね葉山・・」


「・・・はい、社長がそうお望みならば‥」


「そうか・・
では行くかね、葉山も変装するかい?」


「いえ・・
私は、社関連VIPの付き合いで押し通します‥
とてもじゃありませんが、私では今の社長に釣り合いが取れません」


葉山は葉山なりか‥
自分の立場を、しっかりとわきまえている。


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