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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第10章 拡大と安定
事務所のセキュリティーを作動させて外へ、此処でも葉山は驚き顔。
「フェラーリ‥ですか‥‥」
「私の個人趣味だ‥
数台所有しているのだが、乗る暇も無く普段は飾り物に近い、隣乗るだろう葉山?」
「・・・
社の車で行きたい心境です・・」
「はぁー
少しは慣れて貰わないと困るのだがね‥
この調子だと、話すら噛み合わなくなる」
「それは何とか合わせるようには‥
しかし、このような車を所有だったとは思いませんでした」
「個人趣味と言っただろう‥
私にだって趣味くらいはある、葉山とはプライベートの付き合いが無いから、気付かなかっただけだ」
「そうですね‥
社長のプライベートは‥‥立ち入って欲しくないと思っていました」
そんな風に思われていたのか‥‥
忙しくてプライベートは無きに等しいが、葉山なら立ち入って欲しくないとまでは思ってはいない。
一部を除いてだが・・
少々揉めた結果、葉山が助手席に乗る事で話は付き、試しの為にEAホテルへ・・・
ホテルの方も、いきなりこんな車なものだから、驚きながらの対応‥
フロントで葉山が一生懸命説明しているのを尻目に、私の方はロビーで寛ぐ事に‥これが普通の対応だと思う。
「・・失礼しました‥
レストランの方、直ぐに準備が整うそうです」
「・・そうか、それまで気長に待つとしよう」
葉山の説明では、私は得意先の会社の社長という事になっている‥
今日のところは、それを貫くつもり‥‥向こうが気付かない限り。
(・・・
流石にスタッフが慌ただしい・・)
クラスター社の秘書が、誰とは分からないが得意先の社長を連れて来た‥
失礼と不備が無いように、裏は大慌てだろう。
多少は緊張感を持たせなければ、接客業のホテルだとてマンネリ化する。
これは逆に、良いチャンスかも知れない。
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