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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第10章 拡大と安定
10分も経たずに、ホテルのスタッフの案内で、上階にあるレストランへと案内された。
やはり誰も気付かない‥
普段の姿なら、何度かこのホテルに来ているというのに‥‥人は見た目で判断する、その方が圧倒的。
レストランでもVIPルーム、これは葉山が押さえたのだと思う。
一般の気楽なフレンチとは違い、こちらは正式‥
私は良いとして、葉山は大丈夫なのか?
「ようこそおいで下さいました‥
本日は仔羊を使ったメインを含むコースになっております」
「構わんよ…
ワインもソムリエに任せるとしよう」
「畏まりました」
私的には普通、伊達に早乙女直系なぞやってない、だが・・・
「・・葉山、フレンチの方は?」
「申し訳御座いません、私は最低限の知識しかありません」
普通こんな感じだろう‥
とは言え、正式にクラスター社秘書として葉山も来ている、下手な事もさせられない。
テーブルの上のナプキンを1枚取り、手持ちのボールペンで必要な事だけ素早く書き、葉山に回す。
『見様見真似‥
分からなければ真似すれば良い』
葉山の方も素早く読み、ナプキンをポケットにしまい込んだ。
「しかし、此処からの景色もなかなか綺麗なものだ」
「このレストランは、夜景を売りにしております‥
お気に召して光栄です」
お互い分かっていながら、素知らぬ会話‥
全く会話が無いのも都合が悪く、こうして話を振っていくしかない。
「本日のメインになります‥」
何事も無く食事は進む、葉山も何とか頑張っているよう‥
これから先、何があるか分からない、葉山も少し慣らしておいても損はないとは思う。
「・・お口に合いませんか?」
「いや・・・
近頃は少々食事制限をしていてね、健康の為だ」
「そうですか、意外に細かな配慮をしているようで‥」
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