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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第10章 拡大と安定



EAホテルでの試しの結果、この姿で全く問題無しと判断し、田野倉と会う為にセッティングした。


田野倉浩‥


営業上がりの幹部で、システム関係は不得手‥
だからこそ、田野倉に付くのは優遇されているシステム課以外の部署。


一番はやはり古巣の営業そして人事‥この両部長が、田野倉の右腕と呼ばれている。


お膳立てしたのは、この街でも老舗と呼ばれる料亭‥創業は明治とも言われ、早乙女関係も良く使う場所。



「1つ聞くのを忘れてたのだがね葉山‥」


「何でしょうか?」


今日も変装姿で、ラ・フェラーリ‥勿論葉山は助手席。



「酒はどれくらいだい?」


「人並み程度‥‥です」


「人並みか‥
田野倉は、そこそこ酒豪だった筈、葉山は飲まずに待機だね」


「因みに社長は?」


「私?
潰れた事は無いよ‥
いや、唯一潰されたのは倉原か‥‥
あっちも酒豪でね、一升瓶3本程持って来て、さあ飲めだったかな‥‥ついでに言えば、私は16才だったが・・」


「倉原課長ですか、そんな感じの人物には見えませんでしたが?」


「若気の至り‥
私が16で、倉原は20、怖いもの知らずと言った方が近い‥‥
後は誰と飲んでも潰れた事は無い」


あれは本当に、若気の至り‥
葉山には言わなかったが、倉原は今でも宴会などで部下を潰している‥らしい・・



「見えて来たね…
一応帰りの運転は頼むよ、幾ら私でも飲酒で捕まりたくは無いから」


「・・・はぁー
出来るだけ安全運転‥します」


そこまで拘らなくても良いのだが‥
葉山に取って、このフェラーリは恐怖の対象のようだ。



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