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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第10章 拡大と安定



「取締役の子会社達は皆将来有望株、対して本社が持つ子会社は俄か安定か低迷期‥
どちらが利がは一目瞭然」


「そうかな?
本社系の子会社だとて、有望株は沢山あるがね‥
私としては、そちらが欲しいところだ、元営業トップの常務なら、簡単な話ではないかね?」


「一存ではなかなか‥
協力者の力を借りれば、何割かは動かせるでしょうが‥‥」


自分はさして動かず、相手に一任か‥
そして、田野倉の言う協力者が私の思う通りなら、子会社移動は無いだろう。



「面白いがね‥」


少しだけ酒をチビリ‥
こういう時は、事を急いた方が負ける。


田野倉も営業上がり、そこは熟知している筈。


餌を見せておいて、腹の内は明かさない‥
まぁ‥交渉術の基本みたいな会話。



「取締役は、本社内で役職が欲しくは無いのですか?」


「さあ・・
本社の役職か‥
さして魅力は感じないが、あって困る物でもない」


「相変わらず本社を否定しますな‥」


「否定はしない‥
だが、私の入る隙間が無いだけだと思わないかね?」


「それは取締役次第‥」


「常務が会長になってかね?」


「まさか‥
私は早乙女一族では無い、会長どころか一生常務止まりでしょう」


「では何故会長に刃向かう?」


少しずつ確信には持っていってるが、果たして田野倉は答えるか?



「・・・
なんでしょうな‥
今の体制への不満‥早乙女系なのは仕方無いが、会長はあまりにも本社を疎かにし過ぎる」


「・・・
意外に意見が一致するようだが、常務に本社改造が出来るか、私の懸念はその1点だ」


「その為の協力者‥
発言力も大きく、会長ともやり合える」



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