この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第10章 拡大と安定
「会長とやり合えるのは結構だが、どんな本社改造をするつもりかね?」
「・・・
システム課を縮小し、全て子会社に回す‥
その為には、取締役‥貴方が持つ子会社が必要不可欠」
「なるほど・・・」
本社のシステム課を縮小して、なんの利があるのやら‥
どうやら、こういう点は私と田野倉は相容れないようだ。
「酔狂でこんな事をしている訳じゃ無い‥
勝算があっての行動‥でなければ、あの会長に刃向かうなど出来る訳も無いでしょう」
「・・・
1つ誤解をしているようだが、私の子会社買収は会長も認めている‥好きにしろと‥
そんな私が、会長に刃向かうとでも?」
「会長が認め・・・」
「そうだ・・
私は早乙女から外れている訳では無いし、会長との対立はプライベートの話、仕事にまで持ち込んでいるつもりは無いがね‥
それに私が本社に顔を出さないのは、その必要が無い為であり、決して早乙女から逸脱しているつもりも無い」
多少の嘘は含むが、全てが嘘という事でも無く、本当に必要が無いから本社に出向かないだけ。
「だが、会長との確執があるとっ‥‥」
「それは誰からの情報かね?
今も言ったが、私と会長の事は個人的な話、それも早乙女血縁の中でも、直系かそれに限り無く近い者しか知らない事だ」
「それは・・・」
狸の化けの皮を剥がせばこんなものか‥
意外に呆気ない。
「可能性は副社長か専務・・・
さて、どちらか常務?」
本当は1択だが、敢えて2択にしてやった‥
田野倉がどう出るか、試したかったのもある。
・