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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第10章 拡大と安定
「それを聞いてどうなります?」
「どうもしないが?
だが、刃向かっている以上、何時かは明らかになるだろう‥
早いか遅いかの差だ」
「・・・
専務が実の父親に刃向かいますか取締役?」
「と言う事は副社長か‥
確かに発言力は大きいが、会長が聞くかね?
結局のところは、私と同じく何も出来なかった皇賢吾が‥‥」
認知問題で噛み付いたのは、私も皇も同じ‥
会長は、そのどちらかも退けた。
つまり、幾ら皇が会長に刃向かおうとも、会長に適わないという事だ‥私と同じく。
「早乙女内は複雑ですな‥
副社長でも、会長には適わないと言い切る」
「事実の述べているだけだがね‥
そして副社長が常務に付いているのなら、私を取り込もうとしても無駄な話、私と皇は話をする事すらしない」
私と皇賢吾の確執は深い、会長より遥かに‥
人1人の命分だ、そう簡単に関係が改善されるとは思わない、その証に11年皇賢吾とは話すらしていない。
「・・・
取締役に何を言っても無駄なようですな」
「そうなるな‥
根本的意見の相違、阻むつもりは無いが、組むつもりも無い‥
そして私の邪魔をするのなら、実力で排除するまでの事‥それだけだ」
お猪口に入っていた最後の酒を飲み干し、私の方が立ち上がる。
「予想外のところに伏兵あり‥
似ましたな会長に‥‥」
「そうかね?
内孫だ、似ていても不思議ではあるまい・・」
「・・・・・」
最後にそう言い残し、私は田野倉の元から立ち去った・・・
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