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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第10章 拡大と安定
「どうでしたか常務は?」
帰りは葉山が運転、私が助手席‥
本当に怖い程の安全運転だが・・・
「今のところ、ただの張りぼて‥と言った感じだね‥
まあ、良い牽制にはなったよ」
「ですが、営業と人事を押さえてるのも確かです」
「1社員をどうこうなら、人事で十分だろう‥
だが、重役にまで人事が首を挟む事は出来ない」
「それはそうですが‥」
「システム課縮小か、馬鹿な事を考える‥
クラスター社がIT企業という事すらも忘れるとは、田野倉‥見込み違いだったか・・」
「田野倉常務は営業‥」
「・・・
営業が仕事だけ取ってくれば良いと思うのが、根本的な間違い‥
プログラマーとエンジニアが居なければ、営業だけでは正確な詳細‥見積もりすら出せないだろう」
田野倉も皇も、IT企業とは無縁の経歴。
皇は早乙女外戚として、今の私と同じ立場、無役の取締役からのスタートで、コンピューター関連は無知識。
畑違いの2人が手を組んだ‥
IT企業として、プログラマーでも、エンジニアでも無かったら、重役としては、かなり肩身が狭い。
だから組む気になったのだろうか??
そしてプログラマーであり、IT系の傘下を数多く持つ、私を取り込みたかった。
(・・・
だとしたら、皇も同意の上だったのだろうか?)
田野倉に、もう少し探りを入れるべきだったか?
(いや、無駄だろう‥)
皇と明かしたのだ、それ以上の情報を得られる訳でも無し‥
深入りすれば、こちらが足元を掬われる。
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