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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第10章 拡大と安定
「こちらはどう動くべきか・・・」
「常務達とは離れますか?」
「当たり前だ‥
みすみす私の子飼いをくれてやる気は無い‥‥
とは言え私は外枠だからね」
素知らぬ顔も出来るが、皇が関わっている以上、全く無視という訳にもいかない。
そろそろ立場を明確にするべきか?
「とりあえずは専務と相談だね‥
悪知恵と言うのなら、専務もなかなかのもの‥‥せめて田野倉は抑えないと、上のバランスが少々狂う」
「では連絡を取ります」
「いや、私が直接連絡するから不要だ‥」
「分かりました」
とにかく布石は残した‥
後はどう釣り上げるかだが、狸の相手はなかなか大変・・
結局のところ、私が運転する倍以上の時間を掛けて、漸くマンションに到着‥
葉山は、そのまま自分の車に乗り換えて行ってしまった。
(やれやれ‥せめてコーヒーくらい飲んで行けば良いのに‥‥)
『このような遅い時間に、社長の迷惑にはなりたくありませんので‥』
だそうだ‥
本当に真面目タイプの葉山らしい応え。
マンションに入り、先ずは鬱陶しい髪をどうにかする為にシャワー
私だって一息くらい付きたい。
何時ものラフな格好に、タオル1枚頭に掛けてシャワーから出て来たら、携帯の着信ランプが光っている。
(??
こんな時間に?)
田野倉との話し合いが長かったのと、法廷速度ギリギリの運転だった為に、現在時間は23時。
履歴を確認すると、相手は専務‥いや、朔夜叔父のプライベート携帯‥‥それも何度も・・
「・・・
嫌な予感がする」
そう思いながらも、朔夜叔父に電話をし返して見た。
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