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青い残り火
第7章 第7章
神谷由香利の裸体を描くような鈴木が、いったいどんな詩を書き綴るのか、一馬は笑いを堪えながら勝手に創作した。

あなたのデカパイ
あなたのヒップ
毎晩夢見て眠れないボク





毎日五分間のホームルームは無駄な時間でしかなかった。担任の富田は杓子定規で、横道に逸れることなく言うべき事だけを生徒に伝える。私語があろうと携帯を弄っていようと気にする事はない。

「ジミ田まじでつまんない」

そんな声にも眉ひとつ動かさなかった。
以前は一馬も、クラスメイト同様彼を小馬鹿にしていた。だが今は違う。

ヤツは知ってる
絶対そうだ
そして本気だ

自分自身に飛び込んできた恋というものを知ってから、彼は、富田が西崎だけに見せる滑稽なまでの動揺が痛い程理解できた。
一馬はライバル心を抱いた。西崎に近付いてほしくなかった。富田だけでなく誰にも。

充足感と焦燥感が胸に犇(ひし)めき、それを切なさという言葉でひとくくりにはできない。もっと激しい感情が、今にも噴き出してしまいそうだった。




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