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青い残り火
第7章 第7章
「お前も誰かにコクれば? 渋谷みたいに。あ、お前の好みは由香利先生か」

重い気持ちを紛らわそうと鈴木をからかった。

「お前って友達のクセに何もわかってないな」

「なんだよ」

「いや、なんでもないよ気にすんな」

一馬は言い訳を思い付いた。

──じつは鈴木の相談に乗ることになったから今日は無理みたい
(進路についての悩み)

──そっかぁ
わかった。また今度ね

ほっとした彼は背中を向けた鈴木をつついた。

「言えよ、気になるだろ」

鈴木は再び振り向いてにやりと笑った。

「辞書の宿題覚えてる?」

「え……」

辞書と聞いたとたんに心臓がドクンと鳴った。

「あれだよ、ひとこいそめしはじめなり」

もちろん覚えていた。

「それなんだっけ」

「詩を書けってやつだよ、恋文だよ恋文。じつは俺考えてるんだ」

「なんだよお前、由香利先生宛に書いてんの?」

「へへっ、さあね」


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