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青い残り火
第7章 第7章
拙いながらも気持ちが理解できる作品には皆沈黙して聞き入り、冷やかしやからかいは息を潜めた。
発表を終えて席につく度に優しい拍手が起こる。
友達の恋心を知っている生徒はその心情を思い、頷きながら耳を傾けた。隣同士であれこれ詮索する様子もなく、クラスメイト達の気持ちを自分に重ねているようでもあった。

「津島さん」

「はい」

桃香は千紗ににこりと笑い、手にした用紙に目を落とした。

「“あこがれ“
あなたの事を好きって言えるのは
なんて容易い事なんだろう
本当の心を隠すために
今日もあなたが好きだって言う」

拍手の中、目を丸くしている千紗に、桃香は明るくピースサインを向けた。

「新田さん」

「は、はい」

立ち上がった千紗は、緊張した面持ちで胸を押さえた。

「“あの日から“
き、君には驚かされてばかりです
全部が勢い良すぎです
でも私はわかっています
いつも照れてる君の顔が
誰より優しく思えてきたから」

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