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青い残り火
第9章 第9章
芽衣とすれ違ってもその笑顔に上手く応えられない一馬は、やはり恋心などないのだと自覚していた。
中庭にその人の幻を見つけ、濡れた髪や頬の雫、拒んだ視線にさえ胸を焦がす熱が、彼の恋心だった。

「そういえば、鈴木は桃香にキスしたらしいぞ」

「な、なにっ?」

渋谷が足を止め、焦った顔を一馬に向けた。

「頬っぺたに」

「そ、そうか……、いいなそれ」

煮え切らないヤツらだと思うのがこれまでの一馬だった。だが今はそれが理解できる。

「俺の気持ち知らないんだろうなぁ千紗ちゃん。……マジで抱き締めてぇ~」

渋谷が自分を抱き締めて雄叫びを上げた。

「俺も……、俺も抱き締めたい」

「だよな、川口芽衣も華奢だもんな、折れるんじゃね?」

「……かもな」

抱き締めたい
そしたらどんな顔をするだろう
辞典で殴られるだろうか
それでもいい
あの人に触れる事ができるのなら







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