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青い残り火
第10章 第10章
あの人……
バイト先の客だと言っていたあの女
何度も打ち消そうとしてきた真琴の顔が意地悪く笑い、張り出した尻を揺らして遠ざかってゆく。
まさか
あんな人が好きだったの?
私達まだ十八だよね
いったい幾つ年上?
ありえない
神谷由香利に群がる男子を馬鹿にしていた芽衣は、一馬と真琴がベッドで乱れるシーンを想像し、嫌悪感で胸がいっぱいになった。
嘘よ
考えすぎよ
でも、でも──
「桃香がね」
「え?」
「桃香、ずっと一馬が好きだったんだって。知ってた?」
「そうなの? ちっとも気づかなかった」
「そうでしょ。あの子、大失恋してたのに私達に気を使って黙ってたんだね。辛かった筈だよきっと。でも、やっと打ち明けられたのは鈴木のお陰だよって言うの」
千紗はうっすらと涙を浮かべ「本当によかった。鈴木もずっと片思いしてたらしいし。しかも小学生の頃から」と言ってすぐに笑った。
バイト先の客だと言っていたあの女
何度も打ち消そうとしてきた真琴の顔が意地悪く笑い、張り出した尻を揺らして遠ざかってゆく。
まさか
あんな人が好きだったの?
私達まだ十八だよね
いったい幾つ年上?
ありえない
神谷由香利に群がる男子を馬鹿にしていた芽衣は、一馬と真琴がベッドで乱れるシーンを想像し、嫌悪感で胸がいっぱいになった。
嘘よ
考えすぎよ
でも、でも──
「桃香がね」
「え?」
「桃香、ずっと一馬が好きだったんだって。知ってた?」
「そうなの? ちっとも気づかなかった」
「そうでしょ。あの子、大失恋してたのに私達に気を使って黙ってたんだね。辛かった筈だよきっと。でも、やっと打ち明けられたのは鈴木のお陰だよって言うの」
千紗はうっすらと涙を浮かべ「本当によかった。鈴木もずっと片思いしてたらしいし。しかも小学生の頃から」と言ってすぐに笑った。