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青い残り火
第10章 第10章
「今日はなんか疲れちゃったから、また今度にする」
「千紗は見に行っていいんだよ」とは言わなかった。
「そう、そうだね、暑いし、また次にしよっか。差し入れ持ってきてないし、……うん、わかった、次にしよう。渋谷に部活の予定聞いたら連絡するね」
「うん」
頭を整理する必要があった。理解できない事が多すぎた。
一馬の初めては自分ではなかったのか、だとしたらファミレスで会ったあの女なのか。それなら西崎澪に対する彼のあの態度は……
芽衣が見た一馬の表情は、渋谷が千紗に告白した時のそれによく似ていた。
必死な顔
初めて見た
どうして?
いったいどこに惹かれるわけ?
あんな地味で目立たないオバさん
神谷由香利と並べば天地ほどの差がある西崎を、芽衣は再び鼻で笑おうとしてふと、窓に目がいった。
銀杏の木……
そこから中庭を覗くと、正面に銀杏の木が見える。
あの時……
みんなが教室から顔を出し、中庭にいる神谷と三島に注目していたあの時、一馬はひとりだけ、銀杏の木を見つめていた。
違う
西崎先生を見つめてた
「千紗は見に行っていいんだよ」とは言わなかった。
「そう、そうだね、暑いし、また次にしよっか。差し入れ持ってきてないし、……うん、わかった、次にしよう。渋谷に部活の予定聞いたら連絡するね」
「うん」
頭を整理する必要があった。理解できない事が多すぎた。
一馬の初めては自分ではなかったのか、だとしたらファミレスで会ったあの女なのか。それなら西崎澪に対する彼のあの態度は……
芽衣が見た一馬の表情は、渋谷が千紗に告白した時のそれによく似ていた。
必死な顔
初めて見た
どうして?
いったいどこに惹かれるわけ?
あんな地味で目立たないオバさん
神谷由香利と並べば天地ほどの差がある西崎を、芽衣は再び鼻で笑おうとしてふと、窓に目がいった。
銀杏の木……
そこから中庭を覗くと、正面に銀杏の木が見える。
あの時……
みんなが教室から顔を出し、中庭にいる神谷と三島に注目していたあの時、一馬はひとりだけ、銀杏の木を見つめていた。
違う
西崎先生を見つめてた