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青い残り火
第10章 第10章
渋谷の部活予定を知らされたところで、その日に一馬がいるとは限らなかった。そしてまた、仲良く見つめ合う千紗と渋谷の横で、笑顔を作れるような芽衣ではなかった。
「ごめんね千紗、実は忘れてた課題があってさ、焦ってるの。休み中に仕上げなきゃいけないから、部活は千紗一人で見に行って。本当にごめんね」
残念そうな友達との会話を終え、芽衣は携帯をバッグにしまって校門をくぐった。
昨夜、部活が終わったら会いたいと一馬にメールを送ると、珍しく直ぐに返信があった。
──明日、午前の練習が12時に終わるから中庭で待ってる
その文面は事務的で、久しぶりに会える事への嬉しさが微塵も感じられなかった。
それでも、芽衣は一馬の口から真実を聞きたかった。すべて誤解だと、勘違いだと言ってくれるなら、もう二度と疑ったりしない。馬鹿馬鹿しいねと笑い合いたい。
そして、もしも誤解ではなかったとしても、私はその過ちを許せると、腹を括っていた。
「ごめんね千紗、実は忘れてた課題があってさ、焦ってるの。休み中に仕上げなきゃいけないから、部活は千紗一人で見に行って。本当にごめんね」
残念そうな友達との会話を終え、芽衣は携帯をバッグにしまって校門をくぐった。
昨夜、部活が終わったら会いたいと一馬にメールを送ると、珍しく直ぐに返信があった。
──明日、午前の練習が12時に終わるから中庭で待ってる
その文面は事務的で、久しぶりに会える事への嬉しさが微塵も感じられなかった。
それでも、芽衣は一馬の口から真実を聞きたかった。すべて誤解だと、勘違いだと言ってくれるなら、もう二度と疑ったりしない。馬鹿馬鹿しいねと笑い合いたい。
そして、もしも誤解ではなかったとしても、私はその過ちを許せると、腹を括っていた。