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青い残り火
第10章 第10章

「なにが?」
「本気じゃないのに芽衣と付き合って」
惨めだった。正直な一馬が憎かった。
「本気の人とは付き合えないのにね」
「……うん」
「ほんとバカみたい、バカみたい一馬、バカみたい私……」
芽衣は顔を伏せて泣き出した。
「誰でもよかったんだ、私じゃなくても、桃香でも……」
否定しない一馬に更なる屈辱を覚えた。桃香の泣き顔を背に優越感に浸っていた自分が、今はただのピエロだった。女子生徒達からの羨望の眼差しが、これから先は冷笑に変わっていく。そこには桃香と千紗もいた。なぜ私がそんな目に……
芽衣は顔を上げた。
「べつに、今までと同じでいいじゃない」
「え?」
「一馬の目が覚めるまで待ってる。きっと一番大事なのは私だって気がつく筈だから」
「芽衣……」
「私帰るね」
芽衣は立ち上がり、無理に笑って一馬の肩に触れた。
「じゃあまたね」
「本気じゃないのに芽衣と付き合って」
惨めだった。正直な一馬が憎かった。
「本気の人とは付き合えないのにね」
「……うん」
「ほんとバカみたい、バカみたい一馬、バカみたい私……」
芽衣は顔を伏せて泣き出した。
「誰でもよかったんだ、私じゃなくても、桃香でも……」
否定しない一馬に更なる屈辱を覚えた。桃香の泣き顔を背に優越感に浸っていた自分が、今はただのピエロだった。女子生徒達からの羨望の眼差しが、これから先は冷笑に変わっていく。そこには桃香と千紗もいた。なぜ私がそんな目に……
芽衣は顔を上げた。
「べつに、今までと同じでいいじゃない」
「え?」
「一馬の目が覚めるまで待ってる。きっと一番大事なのは私だって気がつく筈だから」
「芽衣……」
「私帰るね」
芽衣は立ち上がり、無理に笑って一馬の肩に触れた。
「じゃあまたね」

