この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
青い残り火
第10章 第10章
芽衣は何度も呼び掛ける一馬を残し、A棟の昇降口を走り抜けた。こぼれ落ちてくる涙が邪魔で、何度も拭わなければならない。

終われない
こんな惨めなままでは……

気を取り直そうにも、耳にしてしまった様々な事実が芽衣を追いかけてくる。校門を出て立ち止まり、メモ帳に挟んでいた四つ折りの紙を取り出した。

「こ、こんなものっ!」

花模様の紙がビリビリと破かれ、細かな塵になって周囲に散らばった。そこは、千紗と渋谷の始まりの場所だった。
芽衣は慌てて地面にしゃがみ込み、散らした紙片を拾い始めた。部活を見学しに来た千紗に気付かれるのを怖れたからだった。

俺、届く、愛し、手を伸ば、あなた……、途切れた文字の端々に、一馬の心がこもっていて惨めさが増す。

西崎先生さえいなければ、一馬はきっと、私を愛してくれるようになったのよ
私だって、最初はこんなに好きじゃなかったんだもの

地表に落ちて乾いていく涙を見つめているうちに、芽衣は、自分に非がないことに気付いた。

嫌われることなんて何もしてない──







/277ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ