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青い残り火
第10章 第10章
夏休みも終わりに近づき、芽衣の気持ちは重くなるばかりだった。
千紗と桃香から「お茶しない?」と誘われてもやんわりと断り、二人の恋の進展には、興味のあるふりをしてメールをやり取りした。

このまま新学期が始まれば一馬にふられた事が明るみになり、格好のネタとして学園中の注目を浴びることになる。
友人二人は気を使い、気不味い思いをするだろう。けれど心のどこかでくすりと笑うに違いない。

きっとそうする
私が桃香ならきっと
抜け駆けなんてするからよ
と、嘲笑う

自分がいつでも一馬を目で追っていたように、今も彼が職員室を切なく見上げているのかと思うと居ても立ってもいられない。
一馬の本心を知ってからは、前以上に一馬を求めた。

まだ決めないで
全部許すから
別れることなんて出来ない
いやよ

芽衣は、部活の終了時刻に一馬に会いに行く事にした。


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