この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
青い残り火
第10章 第10章

「一馬、私、一馬の気にさわること何かした?」
今お腹すいてる? とでも尋ねているかのように優しく切り出した。
「芽衣……」
「どう?」
「してないよ、何も」
「よかった。それなら私達、今まで通りでよくない? 私はそうしたいんだけど」
「…………」
「あのね、デートするとか、そういうのはなくていいの。でも、私を嫌っているわけじゃないなら今のままでいて。一馬の気持ちが私に向いてくれるまで待ってるから」
静かに佇む二人は、端から見るとロマンチックな恋人同士だった。二人の邪魔をする者はなく、皆羨ましげに顔を見合わせて目配せを交わした。
「もう、元には戻れないよ」
「え?」
「芽衣だって嫌だろ? 俺が最低な奴だと知って、平気なわけないだろ」
「平気よ、私は平気、全部忘れるし許せるよ」
数人の部員が、「先輩、お疲れ様でしたー」と冷やかし顔で過ぎて行った。
今お腹すいてる? とでも尋ねているかのように優しく切り出した。
「芽衣……」
「どう?」
「してないよ、何も」
「よかった。それなら私達、今まで通りでよくない? 私はそうしたいんだけど」
「…………」
「あのね、デートするとか、そういうのはなくていいの。でも、私を嫌っているわけじゃないなら今のままでいて。一馬の気持ちが私に向いてくれるまで待ってるから」
静かに佇む二人は、端から見るとロマンチックな恋人同士だった。二人の邪魔をする者はなく、皆羨ましげに顔を見合わせて目配せを交わした。
「もう、元には戻れないよ」
「え?」
「芽衣だって嫌だろ? 俺が最低な奴だと知って、平気なわけないだろ」
「平気よ、私は平気、全部忘れるし許せるよ」
数人の部員が、「先輩、お疲れ様でしたー」と冷やかし顔で過ぎて行った。

