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青い残り火
第10章 第10章
「俺は、戻れない。無理なんだ」

「今は無理かも知れないけど」

「確かに今だけかもな。そのうち目が覚めて、馬鹿馬鹿しく感じる時が来るかもしれない」

「でしょ? だったら」

「ごめん、俺、もしそうなったとしても、元には戻れない」

「え?」

「もう、いい加減な付き合いはしたくないから」

「だから私……」

「だからごめん」

前に来て頭を下げる一馬に、芽衣は黙るしかなかった。

いい加減な付き合い

嘘の壁が消えた一馬は、易々と本音を口にする。私達は今まで何をしてきたのか、なぜ私は一馬の気持ちを確かめようとしなかったのか。

知りたかったのに
いつもはぐらかされていた
それでも面と向かって訊ねてみるべきだった

ねえ、私の事すき?
答えに困る一馬を見たくなかったのかもしれない

部員達がどやどやと扉に押し寄せ、相次いでお疲れ様の声が掛かけられる。

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