この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
青い残り火
第10章 第10章

芽衣は花壇や植え込みに注意しながら歩いた。A棟の昇降口を通り抜ければ、街の灯りが傷心の自分を受け止めてくれる筈だ。
桃香や千紗には何て言おう
せめて卒業までは黙っていたい
一馬は黙っていてくれるだろうか
納得出来ない
どうして私がこんな目にあうの?
全部許すからって言ってあげたのに
あんな地味女のどこがそんなに……
「なに今の……」
B棟に誰かが入っていった。一瞬だったが、スカートを穿いていた。
「だれ、美野田先生?」
芽衣は二つの選択肢を掲げ、図書委員会担当の美野田の方を選んだ。忘れ物でも取りに来たのだと見当をつけ、おっちょこちょいのその教師が、今に明かりを灯すであろう図書室の窓を見上げた。
だが、二階に上がってすぐの図書室に変化はなく、三階の明かりだけが煌々と夜に浮かんでいる。
美野田先生じゃなかった
芽衣はあとに取っておいた答えに自信を持ち、それを確認してみたくなった。
桃香や千紗には何て言おう
せめて卒業までは黙っていたい
一馬は黙っていてくれるだろうか
納得出来ない
どうして私がこんな目にあうの?
全部許すからって言ってあげたのに
あんな地味女のどこがそんなに……
「なに今の……」
B棟に誰かが入っていった。一瞬だったが、スカートを穿いていた。
「だれ、美野田先生?」
芽衣は二つの選択肢を掲げ、図書委員会担当の美野田の方を選んだ。忘れ物でも取りに来たのだと見当をつけ、おっちょこちょいのその教師が、今に明かりを灯すであろう図書室の窓を見上げた。
だが、二階に上がってすぐの図書室に変化はなく、三階の明かりだけが煌々と夜に浮かんでいる。
美野田先生じゃなかった
芽衣はあとに取っておいた答えに自信を持ち、それを確認してみたくなった。

