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青い残り火
第11章 第11章
「芽衣!」
ひゅうひゅうと囃し立てる声がして、少し照れた表情の芽衣が現れた。
「どうしたの一馬」
「ちょっとこっち来て」
芽衣を廊下に引っ張りだし、周囲を気にしながら問い詰めた。
「あの動画、芽衣がやったんだろ」
「そうだよ、お似合いだよね、ふふっ」
「何であんなことするんだよ」
「えっ、特に問題ないでしょう? 恋人同士なんだし。神谷先生や冨田先生に、いつまでも気を持たせてる方が悪いのよ。ふんっ、好きでもないくせに!」
「芽衣………」
芽衣は挑戦的な目で一馬を見ていた。そこには敗北からくる嫉妬や怒り、妬みが溢れ、あなたのせいよ、と言っているようだった。
噂は生徒達の中で静かに熱く広まっていった。女子の間では、神谷由香利を嘲る者が多く、富田には同情が集まった。
誰かが、二人の様子が映画みたいに美しいと言い出すと、すぐに多くが賛同し、非難する者よりも、秘めた恋に憧れる女子の多くを味方につけていった。生徒達は押し黙り、教師四人の動向を探った。
ひゅうひゅうと囃し立てる声がして、少し照れた表情の芽衣が現れた。
「どうしたの一馬」
「ちょっとこっち来て」
芽衣を廊下に引っ張りだし、周囲を気にしながら問い詰めた。
「あの動画、芽衣がやったんだろ」
「そうだよ、お似合いだよね、ふふっ」
「何であんなことするんだよ」
「えっ、特に問題ないでしょう? 恋人同士なんだし。神谷先生や冨田先生に、いつまでも気を持たせてる方が悪いのよ。ふんっ、好きでもないくせに!」
「芽衣………」
芽衣は挑戦的な目で一馬を見ていた。そこには敗北からくる嫉妬や怒り、妬みが溢れ、あなたのせいよ、と言っているようだった。
噂は生徒達の中で静かに熱く広まっていった。女子の間では、神谷由香利を嘲る者が多く、富田には同情が集まった。
誰かが、二人の様子が映画みたいに美しいと言い出すと、すぐに多くが賛同し、非難する者よりも、秘めた恋に憧れる女子の多くを味方につけていった。生徒達は押し黙り、教師四人の動向を探った。