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青い残り火
第11章 第11章
そこは革製の長いソファがテーブルを挟んで二脚置かれ、薄いベージュのカーテンが落ち着いた雰囲気を醸し出している。エアコンが緩くかかり、誰かが使用していたのか、テーブルには卓上用のカレンダーとボールペンが乗っていた。
「兄と妹って聞こえたけど、ははっ、可笑しいでしょ?」
背を向けて腕を組んだ富田に、一馬が呆れたように言った。ソファに腰掛ける余裕もない。
「だいたい苗字が違うし」
鈴木が口を尖らせたが、桃香と千紗は神妙な顔で見つめ合った。
「もしかして……」
千紗の言葉に、富田が「うむ」と言って振り返った。
「先生方のご両親はですね、……離婚なさって、お母様はその後再婚したようです」
富田は言葉を選び、落ち着いていた。その様子が生徒達の動揺を抑え、更に神谷の態度を目の当たりにした彼らは、込み上げる感情の半分を彼女の態度で昇華していた。
「二人は別々に引き取られたんですか? いつですか?」
黙り込む男子に変わり、察しの良い千紗が訊ねた。
「兄と妹って聞こえたけど、ははっ、可笑しいでしょ?」
背を向けて腕を組んだ富田に、一馬が呆れたように言った。ソファに腰掛ける余裕もない。
「だいたい苗字が違うし」
鈴木が口を尖らせたが、桃香と千紗は神妙な顔で見つめ合った。
「もしかして……」
千紗の言葉に、富田が「うむ」と言って振り返った。
「先生方のご両親はですね、……離婚なさって、お母様はその後再婚したようです」
富田は言葉を選び、落ち着いていた。その様子が生徒達の動揺を抑え、更に神谷の態度を目の当たりにした彼らは、込み上げる感情の半分を彼女の態度で昇華していた。
「二人は別々に引き取られたんですか? いつですか?」
黙り込む男子に変わり、察しの良い千紗が訊ねた。