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青い残り火
第11章 第11章
「個人的な事なので、私もあまり詳しい事はですね……」

泣き出しそうな顔の桃香が口を開いた。

「あの、先生達はみんな、兄妹だと知ってるんですか?」

「……もちろん知っています」

あらぬ噂で片付けられて当然の事だった。生徒が誤解しているだけの話で、わざわざ教師の家庭の事情まで公にする必要などなかった。

だから神谷は態度を変えなかったんだ
兄妹だと知ってたから……

一馬は大き過ぎる衝撃をどう受け止めればいいのかわからなかった。泣き叫ぶのが正解なのか、笑うのがいいのか。それとも、あとから怒りが湧いてくるのか。

「この事は他言無用です。いいですね、他の友達にも、お家の方にも言ってはだめですよ。約束できますね」

「…………」

「これから何が起ころうと何も話してはいけません、絶対に」

富田の顔は、今まで見た事のない厳しい顔だった。一馬達に怒っているわけでも説教しているわけでもなかった。

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