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青い残り火
第12章 第12章
文化祭を三日後に控え、芽衣のクラスは放課後も残って小物を作っていた。
桃香と千紗が教室を覗き「先に帰るね」と手を振っていく。芽衣は渋谷に「千紗と一緒に帰っていいよ」と声を掛けた。
「そ、そうか?」
「その代わり、これ、家でやって来て」
「おぅ、任せとけ」
ゲームのキャラクターを模した型紙と、黄色と黒と赤のフェルトを渡した芽衣は
「黒いのと赤いのはシールになってるから上手く貼ってね」
と言い添えた。
「わかった、目と耳とほっぺだろ? 千紗ちゃんにも手伝ってもらう、じゃあなっ」
渋谷は上機嫌で走っていった。開け放したドアの向こうに、廊下を歩く一馬が見えた。彼はこの教室を覗く事無く通り過ぎ、芽衣の期待を瞬時に消し去っていく。コトンと胸が鳴り、波紋のように痛みが広がっていった。
この痛みが消えるのはいつだろう
桃香と千紗が教室を覗き「先に帰るね」と手を振っていく。芽衣は渋谷に「千紗と一緒に帰っていいよ」と声を掛けた。
「そ、そうか?」
「その代わり、これ、家でやって来て」
「おぅ、任せとけ」
ゲームのキャラクターを模した型紙と、黄色と黒と赤のフェルトを渡した芽衣は
「黒いのと赤いのはシールになってるから上手く貼ってね」
と言い添えた。
「わかった、目と耳とほっぺだろ? 千紗ちゃんにも手伝ってもらう、じゃあなっ」
渋谷は上機嫌で走っていった。開け放したドアの向こうに、廊下を歩く一馬が見えた。彼はこの教室を覗く事無く通り過ぎ、芽衣の期待を瞬時に消し去っていく。コトンと胸が鳴り、波紋のように痛みが広がっていった。
この痛みが消えるのはいつだろう