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青い残り火
第12章 第12章

じゃあね、と帰ってゆくクラスメイトに手を振り、芽衣は席を立って廊下に出た。
窓から外を覗くと、下校する生徒達が二人三人と校門へ向かっている。そこに男女五人のかたまりが見えた。駆け寄ったり離れたり、荷物を一人に持たせたり、ふざけて尻を蹴ったりしている。それを指差して笑っているのは桃香と千紗だ。
芽衣は窓辺に両肘を付き、五人の様子を見守った。一馬が四人に手を振り、校門に向かって走り出す。残った四人は彼に手を振り、千紗は渋谷と、桃香は鈴木と並んで歩いた。
校門を出た一馬が振り向き、もう一度手を降って見えなくなった。芽衣の期待はまた泡となった。
「一馬……、ばいばい」
声に出したとたんに涙が溢れ、芽衣は唇を噛んだ。
一馬が消えた校門に四人が近づいてゆく。校門を出たところで、鈴木が桃香に向かって最敬礼している。渋谷がその背中を押さえつけ、軽々と馬跳びをした。
窓から外を覗くと、下校する生徒達が二人三人と校門へ向かっている。そこに男女五人のかたまりが見えた。駆け寄ったり離れたり、荷物を一人に持たせたり、ふざけて尻を蹴ったりしている。それを指差して笑っているのは桃香と千紗だ。
芽衣は窓辺に両肘を付き、五人の様子を見守った。一馬が四人に手を振り、校門に向かって走り出す。残った四人は彼に手を振り、千紗は渋谷と、桃香は鈴木と並んで歩いた。
校門を出た一馬が振り向き、もう一度手を降って見えなくなった。芽衣の期待はまた泡となった。
「一馬……、ばいばい」
声に出したとたんに涙が溢れ、芽衣は唇を噛んだ。
一馬が消えた校門に四人が近づいてゆく。校門を出たところで、鈴木が桃香に向かって最敬礼している。渋谷がその背中を押さえつけ、軽々と馬跳びをした。

