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青い残り火
第12章 第12章
「そう、よかったわ。じつは、あなたがそこから飛び降りるんじゃないかと気が気じゃなかったの」
優しい視線が芽衣を包んだ。
「……大丈夫です」
帰り支度を終え、芽衣は校門に向かった。走り去った一馬の後ろ姿を追って歩く。動画を晒した事を、彼は黙っていてくれた。自分のせいで教師二人がその職を追われたのを、始めは当然だと思い、今は時折、罪悪感に苛まれる。
黙ってそっとしておけば、二人はそのうち皆に祝福される結婚をしたかもしれない
それを私が追い出した
一馬はもう戻ってこない
絶対に……
強い嫉妬から生まれた悪意。その罪の意識と、狡い自分を自覚した芽衣は、一馬を諦める事を決意していた。
あんなに愛し合っているんだから、どこへいっても二人は幸せの筈
芽衣は二人の会瀬を思い浮かべ、無理矢理にでもそう思う事で自分を慰めた。
ふと、さっきいた校舎を振り返った。
あの窓は誰かが泣く窓だな、と、そこで泣いていた桃香を思った。
優しい視線が芽衣を包んだ。
「……大丈夫です」
帰り支度を終え、芽衣は校門に向かった。走り去った一馬の後ろ姿を追って歩く。動画を晒した事を、彼は黙っていてくれた。自分のせいで教師二人がその職を追われたのを、始めは当然だと思い、今は時折、罪悪感に苛まれる。
黙ってそっとしておけば、二人はそのうち皆に祝福される結婚をしたかもしれない
それを私が追い出した
一馬はもう戻ってこない
絶対に……
強い嫉妬から生まれた悪意。その罪の意識と、狡い自分を自覚した芽衣は、一馬を諦める事を決意していた。
あんなに愛し合っているんだから、どこへいっても二人は幸せの筈
芽衣は二人の会瀬を思い浮かべ、無理矢理にでもそう思う事で自分を慰めた。
ふと、さっきいた校舎を振り返った。
あの窓は誰かが泣く窓だな、と、そこで泣いていた桃香を思った。