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青い残り火
第14章 最終章
わがままで独占欲が強く、嫉妬深かった奈未と別れ、年下はもうこりごりだと一馬は思っていた。

「お前はすぐ次があるだろうが俺にはもう無いかも知れない」

「はっ、相変わらず大袈裟だな」

芽衣と別れたあとの気まずさは時間と共に薄れていた。キャンパスで会うことも殆どなかった。人づてに彼氏がいるらしいことを耳にした時は正直ほっとした。

「とにかく来年は来いよ。お前が来れば女の子が盛り上がる。鈴木だって忙しいけど毎回来てんだぜ。そうそう、来年あたり結婚するとか言ってたぞ」

「まじか。あいつら上手くいってるんだな」

大学卒業後も渋谷は折に触れ一馬に連絡を寄越したが、その殆どは同窓生達の近況報告だった。
夢へと向かっている者、諦めた者、道を外れた者、若くして命を落とした者。結婚、出産、離婚……

それは、一馬の教え子達の未来だった。社会に揉まれる前の彼らと真摯に向き合い、教育の一端を担う。一馬はその思いを強くしていった。

「来年は行くよ。鈴木にも会いたいし」

「その言葉忘れんなよ」








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