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青い残り火
第14章 最終章
メーンテーブルに並んだ料理に目を輝かせ、皆がそれぞれの皿に取り分ける。シャンパンやワインを手に雑談する者、ボトルを手に各テーブルを回る者。よそ行きの身なりをしていても、そこでは高校時代の顔に戻り、皆今を忘れて楽しんでいた。
「やっぱり来ない……」
情けない渋谷の声を聞き付けた桃香が、鈴木の隣で冷たい目をした。
「会いたくないんじゃない?」
「そ、そうだよな……」
幹事を任されている鈴木が横から「でも、もしかしたら……」と意味ありげな顔で一馬に目配せをする。「来るのか?」と訊ねる渋谷に「さあな」とだけ答え、また一馬をちらりと見た。
五十名程いる会場を、渋谷は目を皿のようにして見回した。一馬は女子に囲まれ、代わる代わる写真を撮られた。
「じつは高校の時好きだったの」「きゃー、なんか嬉しい」「腕組んでいい?」などと、弄られ続ける一馬は、彼女達の変わりように驚いていた。
おとなしかったやつらばかりじゃないか
「やっぱり来ない……」
情けない渋谷の声を聞き付けた桃香が、鈴木の隣で冷たい目をした。
「会いたくないんじゃない?」
「そ、そうだよな……」
幹事を任されている鈴木が横から「でも、もしかしたら……」と意味ありげな顔で一馬に目配せをする。「来るのか?」と訊ねる渋谷に「さあな」とだけ答え、また一馬をちらりと見た。
五十名程いる会場を、渋谷は目を皿のようにして見回した。一馬は女子に囲まれ、代わる代わる写真を撮られた。
「じつは高校の時好きだったの」「きゃー、なんか嬉しい」「腕組んでいい?」などと、弄られ続ける一馬は、彼女達の変わりように驚いていた。
おとなしかったやつらばかりじゃないか