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青い残り火
第14章 最終章
一通り役目を終えた一馬は、未だにドアの方を気にしている渋谷を見つけた。同窓会は終盤に差し掛かり、メーンテーブルも寂しくなってきていた。
そんなに好きなのになぜ浮気した
女は戻って来ないぞ
渋谷に慰めの言葉でも掛けようと近付いて行くと、一点を見つめて丸くなった渋谷の目が、そのまま一馬の方に向けられて止まった。
来たのか?
一馬は背伸びをしてドアの方を向き千紗の姿を探した。そこに、所在無げに辺りをうかがう女性がいた。濃いグレーのノーカラースーツ、髪は高い位置でまとめられ、小さなピアスが青く光っている。すっとのびた眉の下に切れあがった目元、小さな鼻、小さな唇。美しいというよりは個性的な顔立ちが、彼女の雰囲気をより引き立てていた。背筋を伸ばし、つんとすました顔が誰かを探している。
だれ……
「あ、来た、芽衣~、こっちこっち」
桃香が手を振った。
そんなに好きなのになぜ浮気した
女は戻って来ないぞ
渋谷に慰めの言葉でも掛けようと近付いて行くと、一点を見つめて丸くなった渋谷の目が、そのまま一馬の方に向けられて止まった。
来たのか?
一馬は背伸びをしてドアの方を向き千紗の姿を探した。そこに、所在無げに辺りをうかがう女性がいた。濃いグレーのノーカラースーツ、髪は高い位置でまとめられ、小さなピアスが青く光っている。すっとのびた眉の下に切れあがった目元、小さな鼻、小さな唇。美しいというよりは個性的な顔立ちが、彼女の雰囲気をより引き立てていた。背筋を伸ばし、つんとすました顔が誰かを探している。
だれ……
「あ、来た、芽衣~、こっちこっち」
桃香が手を振った。