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青い残り火
第14章 最終章
一馬は嫉妬を覚え、同時にあの頃の罪が、ちくちくと胸をつついた。
芽衣に電話を掛けたのは、それから三ヶ月後だった。彼は考え、悩み、迷った末にようやく行動を起こした。携帯電話に残していた彼女の番号が変わっていないことを神に願って。
「はい、……もしもし?」
願いは叶った。
「あ、俺……」
「一馬? どうしたの?」
「その、元気?」
「うん、あ、ごめん今仕事中でちょっと手が離せないの、後でかけ直すね」
「わかった」
一馬が電話をかける度に、芽衣は後からかけ直してきた。その声はいつも明るく、友達以上を望んでいる一馬の気持ちにブレーキをかけた。
ひと月に一度だった電話が二週間に一度になった。話は殆どがお互いの仕事の事で、一馬は大抵聞き役だった。
高校時代、芽衣と何を話していたのか思い出せない彼は、今、芽衣の声を聞き逃さないよう耳をそばだてる。彼女の事が知りたかった。そして、声を聞いていたかった。
芽衣に電話を掛けたのは、それから三ヶ月後だった。彼は考え、悩み、迷った末にようやく行動を起こした。携帯電話に残していた彼女の番号が変わっていないことを神に願って。
「はい、……もしもし?」
願いは叶った。
「あ、俺……」
「一馬? どうしたの?」
「その、元気?」
「うん、あ、ごめん今仕事中でちょっと手が離せないの、後でかけ直すね」
「わかった」
一馬が電話をかける度に、芽衣は後からかけ直してきた。その声はいつも明るく、友達以上を望んでいる一馬の気持ちにブレーキをかけた。
ひと月に一度だった電話が二週間に一度になった。話は殆どがお互いの仕事の事で、一馬は大抵聞き役だった。
高校時代、芽衣と何を話していたのか思い出せない彼は、今、芽衣の声を聞き逃さないよう耳をそばだてる。彼女の事が知りたかった。そして、声を聞いていたかった。