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青い残り火
第14章 最終章
そんな……
こんなことってあるかよ
俺のせいだ
俺のせいで先生が
先生が……

「お気の毒に──」

理恵子は電話でそう言っていた。
一馬はひたすら自分を責めた。たった一瞬、たったひと言、彼が放った言葉の代償はあまりにも大きく、大切な人の人生を狂わせていた。

あれからどんな風に生きてきたのか、どんな困難が彼女と彼を襲ったのか。それを思うと、一馬は今すぐにでも駆け寄り、地面に頭を擦り付けて謝りたかった。

なにも知らないまま呑気に生きて、易々と幸せを手に入れようとしている自分はあまりにも身勝手だった。

せめて謝罪したい

賑やかなアーケードを抜けた二人は細い路地に入ってゆく。一馬は距離を置いて歩き、周囲を見渡した。観光客の姿は途絶え、八百屋や精肉店、金物屋など、地元の人々の暮らしがそこここに見受けられる。

あ……

自転車とすれ違い、通りの風景に気をとられた隙に、二人を見失ってしまった。焦った彼は急ぎ足で通りを真っ直ぐに進んだが、急に立ち止まり二三歩後戻りした。

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