この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
青い残り火
第14章 最終章

《三島画廊》

縦に長い木目の看板が目に入った。打ちっぱなしのコンクリート二階建てのその建物は、入り口がガラスの一枚扉で、看板が無ければ誰もそこが画廊とは気付かない。
ドアに掛かったホワイトボードに近付くと、『只今休憩中。15時に戻ります』と書かれている。癖のない丁寧な字。それは間違いなく、西崎澪のものだった。

ドアの向こう正面には花が飾られ、右側にはパンフレットなどを並べた棚と広い机、その奥には引き戸が見える。左手には下りのスロープがゆるくカーブしていて、その奥が展示室になっていると想像できた。

「お客さん? あと十分せんとそこ開かへんよ」

振り向くと散歩の途中なのか、杖をついた老人が立っていた。

「いえ、客ではないんです」

「そうか。そこは誰でも気軽に入ってええ画廊なんや。けど今はあかん、あと十分や、ふぁははは」

老人は両手を杖の頭に重ねて歯のない顔で愉快そうに笑った。


/277ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ