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青い残り火
第14章 最終章
謝罪?
彼女はそんなもの望んでない
だれも知らない場所でそっと生きてきたんだ
許しを乞う?
ばかな、自分の気がすむだけだ
俺は、俺は……
あなたのせいじゃないと、言って欲しいだけなんだ

一馬は真実を知りたかった。西崎に教えて欲しかった。

先生は言うだろう
あなたのせいじゃないと
それが真実だと
俺にできる事はなにもない
なにも……
彼女がもう二度と歩けなくても
それが俺のせいだとしても

涙が溢れた。彼は角のくすり屋の、自動販売機の横にうずくまり、もう二度と泣かないように激しく嗚咽した。

先生ごめん、ごめんよ
幸せでいて
ずっと笑ってて……
先生
俺、国語の教師になったんだ

彼にできる事は、黙ったまま、そっと胸に抱えておくことだった。そうして生きてゆく。それが、彼に課された罰だった。

自販機の陰から通りを覗くと、ホワイトホードを手にした三島が、さっきの老人と立ち話をしている。和やかな雰囲気の中、三島が老人の腕を支えながらドアを開いた。
ゆっくりと足を進める老人が、誰かに手を振った。程なく二人はドアの向こうに消え、明るい日差しがドアを照らした。






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