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青い残り火
第4章 第4章
「おい鈴木、なんだって?」
一馬が鈴木の肩を揺すった。
「辞書が詩を書けってよ」
「なにそれ」
「国語の成績に反映するって」
「えぇ?」
女子達は「だれにする?」とやや興奮ぎみに肩を寄せ合う者や、頭を抱えている男子に「私宛に書けば?」と冗談を飛ばす者がいた。
「きまりはありません。短くても長くても、手紙や日記形式でも構いませんが固有名詞ではなく、必ず"君"や"あなた"を使用してください。では用紙を配ります。足りない人はいつでも取りに来てください。二週間後に回収します」
授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。
ざわつく生徒達をよそに、西崎は教卓を片付けて国語辞典を手に取ると、きちんと一礼して教室を出ていった。
「やっぱあたしは三島先生かなー」
「私も!」
千紗と桃香のおしゃべりに頷く女子が数人いた。
「まったくくだらねぇ事を……」
「だよな」
男子の呟きの中、「あ、由香利様がいるじゃないか!」と誰かが叫んだ。
一馬が鈴木の肩を揺すった。
「辞書が詩を書けってよ」
「なにそれ」
「国語の成績に反映するって」
「えぇ?」
女子達は「だれにする?」とやや興奮ぎみに肩を寄せ合う者や、頭を抱えている男子に「私宛に書けば?」と冗談を飛ばす者がいた。
「きまりはありません。短くても長くても、手紙や日記形式でも構いませんが固有名詞ではなく、必ず"君"や"あなた"を使用してください。では用紙を配ります。足りない人はいつでも取りに来てください。二週間後に回収します」
授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。
ざわつく生徒達をよそに、西崎は教卓を片付けて国語辞典を手に取ると、きちんと一礼して教室を出ていった。
「やっぱあたしは三島先生かなー」
「私も!」
千紗と桃香のおしゃべりに頷く女子が数人いた。
「まったくくだらねぇ事を……」
「だよな」
男子の呟きの中、「あ、由香利様がいるじゃないか!」と誰かが叫んだ。