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青い残り火
第1章 第1章
手の届かないものより、傍にあるチャンスをものにしたかった。周りにいる級友がガキに思えてしょうがない。
案外みんなよろしくやってんだろうな
ガキのふりをしているだけ
俺と同じ
「おはようございます。さあ席についてください、出席をとります」
「あ、ジミ田が来た」
担任の富田は真面目過ぎて面白味に欠ける男だった。線が細くどこか自信なさげな雰囲気が生徒達に馬鹿にされ、軽くあしらわれていた。
富田が窓辺にいる女子達に近づいて注意しようとすると、蜘蛛の子を散らすように逃げられ視界が開けた。
すでに誰も居なくなった中庭を覗く富田に、「とても同じ男とは思えない。見て、ボサボサの頭とだらしないネクタイ」と不平を並べる桃香。
「だって三島先生とはぜんぜん違う男だもん」
千紗の言葉にクスクスと笑いが起きる。
教室をぐるりと見渡した富田は、「欠席はいませんね」と言い出席簿を閉じた。
案外みんなよろしくやってんだろうな
ガキのふりをしているだけ
俺と同じ
「おはようございます。さあ席についてください、出席をとります」
「あ、ジミ田が来た」
担任の富田は真面目過ぎて面白味に欠ける男だった。線が細くどこか自信なさげな雰囲気が生徒達に馬鹿にされ、軽くあしらわれていた。
富田が窓辺にいる女子達に近づいて注意しようとすると、蜘蛛の子を散らすように逃げられ視界が開けた。
すでに誰も居なくなった中庭を覗く富田に、「とても同じ男とは思えない。見て、ボサボサの頭とだらしないネクタイ」と不平を並べる桃香。
「だって三島先生とはぜんぜん違う男だもん」
千紗の言葉にクスクスと笑いが起きる。
教室をぐるりと見渡した富田は、「欠席はいませんね」と言い出席簿を閉じた。