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青い残り火
第6章 第6章
見とれるしかなす術のない生徒らにとって、神谷由香利の接近は大問題だった。いけ好かない女が、今にも三島のキャンバスに取って代わるのではないかと気が気ではない。
「もっと薄着してくれないかなぁ由香利ちゃん」
「ミニスカート穿いてほしいよな」
「あんた達ってほんとガキ」
「幼稚だよねー」
そんなやり取りの中、芽衣は身を乗り出している男子の中に、渋谷の姿がないことに気付いた。
振り向くと彼は、携帯を見ながら熱心にメモを取っている。デートの予定でも立てているのだろうと微笑ましく思い、芽衣はふと、胸のつかえを晴らしたくなった。
「渋谷ごめん、私勘違いしてた。千紗が好きなのはミステリーだった」
「なにぃーっ、わ、わかった。別のを探すよ、サンキュ」
ほっとした芽衣は再び中庭に顔を向けた。
「芽衣~」
千紗の声がする。横を見ると隣の教室の窓から身を乗り出した桃香と千紗が手を振っている。
「危ないよー」と手を振り返すと「あはは、やっぱ私は三島先生が一番だわ」と桃香が笑った。
「もっと薄着してくれないかなぁ由香利ちゃん」
「ミニスカート穿いてほしいよな」
「あんた達ってほんとガキ」
「幼稚だよねー」
そんなやり取りの中、芽衣は身を乗り出している男子の中に、渋谷の姿がないことに気付いた。
振り向くと彼は、携帯を見ながら熱心にメモを取っている。デートの予定でも立てているのだろうと微笑ましく思い、芽衣はふと、胸のつかえを晴らしたくなった。
「渋谷ごめん、私勘違いしてた。千紗が好きなのはミステリーだった」
「なにぃーっ、わ、わかった。別のを探すよ、サンキュ」
ほっとした芽衣は再び中庭に顔を向けた。
「芽衣~」
千紗の声がする。横を見ると隣の教室の窓から身を乗り出した桃香と千紗が手を振っている。
「危ないよー」と手を振り返すと「あはは、やっぱ私は三島先生が一番だわ」と桃香が笑った。