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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第23章 天地開闢
返事を期待した訳ではなかった。ただ自然と、その疑問が口をついて出てしまった。むしろ何故今まで、それを問わなかったのか。神依という稀な存在の一部として、いつの間にか享受してしまっていた。
(いや……)
それでも一度だけ、斎水分神が子龍について語った。何か暗い、“うろ”のようなものがあると。
──魂自体が生まれて日が浅く、現世よりも常世に近いか……或いは根の国に至り生まれ変わるまで、満たされぬ境遇の魂だったのか──
しかし子龍はそんな素振りもなく、無邪気だった。八衢で拾い上げた時、最初から神依にくっついていたのは確かに気にはなるが、淡島に在った頃はとにかくよくなついていた。もしかしたら、人を見分けてもいたかもしれない。
最期は神依を護ろうとしたというし、また肉体を失ってもその御霊は日嗣を導いてくれた。
『……』
そしてその日嗣の問いに女神は少し考える素振りを見せ、
『それは……いえ。やはり、あなたが自分で話した方がいいでしょう』
赤子を抱き直すとその場にしゃがみ、子龍の骨をゆっくりと地に下ろした。
「……!」
するとその場に泥の形をした穢れが滲み、骨は水を得たようにばしゃりとその身をくねらせる。
(いや……)
それでも一度だけ、斎水分神が子龍について語った。何か暗い、“うろ”のようなものがあると。
──魂自体が生まれて日が浅く、現世よりも常世に近いか……或いは根の国に至り生まれ変わるまで、満たされぬ境遇の魂だったのか──
しかし子龍はそんな素振りもなく、無邪気だった。八衢で拾い上げた時、最初から神依にくっついていたのは確かに気にはなるが、淡島に在った頃はとにかくよくなついていた。もしかしたら、人を見分けてもいたかもしれない。
最期は神依を護ろうとしたというし、また肉体を失ってもその御霊は日嗣を導いてくれた。
『……』
そしてその日嗣の問いに女神は少し考える素振りを見せ、
『それは……いえ。やはり、あなたが自分で話した方がいいでしょう』
赤子を抱き直すとその場にしゃがみ、子龍の骨をゆっくりと地に下ろした。
「……!」
するとその場に泥の形をした穢れが滲み、骨は水を得たようにばしゃりとその身をくねらせる。

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