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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第23章 天地開闢
 その言葉にちらりと視線を斜に傾ければ、手首に巻かれた細やかな飾りが目に入る。今そうして聞けば、本当に──あらゆる意味で、あの僕(しもべ)達は神依の礎となってくれていたのだ。違和感を覚えながらも、最後には神依という人間のひととなりと巫女としての才を信じ、見出だし、尽くしてくれていた。
 だがそれを聞かずとも、日嗣に取っても二人は特別な存在になっていた。本当に淡島に戻ったときは更に固く、長くその絆を紡いでいける。その振る舞いが互いに許されないものであっても、きっと心奥で結ばれた良い──友になれる。
 だが──。
(……)
ならば、神依に巻き付いていたものがもう一つあったことにも、日嗣は気付いていた。
 それは生まれたての赤子のように光沢を帯び、勾玉と同じような形で丸かって眠り、あの箱の龍のようにくるくると走り回り……。また先程の蟲のように時折尻尾をゆらゆらさせて、ずっとずっと神依の腕に巻き付いていた。
 ……子龍。
 今思い返してみれば、不思議と神依の肩には乗っていなかった気がする。それはあの蟲の──異界と繋がれた臍の尾のせいなのか、勾玉のせいなのか。どちらにしても……。
 「……お前は……何者だ?」
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