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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第23章 天地開闢
(お……おかあさん……)
だがそれで不意に櫛名田と素戔鳴の姿が思い浮かんで、少しだけほっとしたような、強張った心がやんわりとほぐされたような、そんな不思議な感覚に包まれた。
今、心は、この世界を満たす海のように凪にはならない。けれどもここではないあらゆる世界で、あらゆる時代で。たくさんの女達が、母達が、歩んだ道。
それでようやく視線を持ち上げて日嗣を窺えば、日嗣もまた少しの……青臭い感情を取り戻して、ばつが悪そうに微笑むと口を開いた。
「……お前が、こんなにしたんだからな」
「……ん、……」
「だから……もう、我慢できない。……お前の中に入れたい。お前と、子を成したい。……いいか?」
「……、」
与えられたのは、まっすぐな眼差しと、何の飾り気も混じり物もない……限りなく純度を高めただけの、生命の欲求。
それを与えられることが女としてどれだけ幸せか──
──“怖がらなくていいの”
いつか誰かがどこかで言っていたその言葉を思い出して、その意味を神依は静かに理解して……何となくさまよわせていた視線を閉じ込めるように一度目を閉じると、今度は自身も一心に日嗣を見上げて、頷いた。
「……日嗣様となら……うれしい」
「……」
だがそれで不意に櫛名田と素戔鳴の姿が思い浮かんで、少しだけほっとしたような、強張った心がやんわりとほぐされたような、そんな不思議な感覚に包まれた。
今、心は、この世界を満たす海のように凪にはならない。けれどもここではないあらゆる世界で、あらゆる時代で。たくさんの女達が、母達が、歩んだ道。
それでようやく視線を持ち上げて日嗣を窺えば、日嗣もまた少しの……青臭い感情を取り戻して、ばつが悪そうに微笑むと口を開いた。
「……お前が、こんなにしたんだからな」
「……ん、……」
「だから……もう、我慢できない。……お前の中に入れたい。お前と、子を成したい。……いいか?」
「……、」
与えられたのは、まっすぐな眼差しと、何の飾り気も混じり物もない……限りなく純度を高めただけの、生命の欲求。
それを与えられることが女としてどれだけ幸せか──
──“怖がらなくていいの”
いつか誰かがどこかで言っていたその言葉を思い出して、その意味を神依は静かに理解して……何となくさまよわせていた視線を閉じ込めるように一度目を閉じると、今度は自身も一心に日嗣を見上げて、頷いた。
「……日嗣様となら……うれしい」
「……」

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