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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~(おしらせあり)
第2章 神隠しの行く末
【1】

 ある夏の日、一人の少女が行方不明になった。走っている電車の車両から、鞄と傘だけを残して消えてしまった。
 蛇のように連なる車両、その二両目の進行方向。そちら側のドアから乗った誰もが、ぽっかりと開けた不思議な席に目をやっていた。
 車窓に平行に伸びるシートの一番端。銀の手摺に掛けられた水色の傘と、一人分の空間と、ありふれた紺とグレーの通学鞄。
 忘れ物にしても不自然で、その日常の奇妙さに誰もそこには座らなかった。そういう世界観など微塵も無い、無神経でお節介な婦人の声にも誰も応えなかった。
 灰色と水色を仄かに帯び、午後の生気の失せた光と色を濃くした影だけが、その空間を形作る。お天気雨。
 そして夜までそこは誰も座らず、まるで誰かがいるようにただぽっかりと残されていた。
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