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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~(おしらせあり)
第3章 世界の理
 その艶やかな布を纏う箱の中には、桜色の線香が詰まっていた。それを数本取り分け薄紙に包み直し、そのまま禊に手渡す。
「日を見て近いうちにおやり。巫女だとは思うが、形式上な」
「かしこまりました」
禊は受け取った包みをちらりと見て、それから頭を下げる。最たる目的を果たし退出を願うが、思い出したようにその背を洞主が引き留めた。
「そういえば──娘が被っていた召し物は御令孫のものであったろう。あれはいかがした」
「……はい。蛟の体液に随分とお汚ししてしまい、一応浄めの方に出しておりますが……お返しした方がよろしいか私には計りかねましたので、後は洞主様にお任せする形になるかと思います」
「それは構わぬ、おそらくお受け取りにはならぬであろう。それより──いや、考え過ぎか」
 そこでふと洞主の表情が固くなり、それまで黙るばかりであった大兄が代わりに口を開いた。
「すまぬな大弟。話を聞く限り今回はどうにも前例が無い。玉衣様も特別にお心を砕かれているのだ。よもや……とは思うが、お手付けになどなってはおらなかっただろうな」
「……大兄、私はもう童ではありません」
禊は小さく溜め息を吐くと、再び姿勢を正しかつての主と兄貴分に向かい合う。
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